Point04「生きものの同定や名前を覚えることにこだわらない」

ときどき、図鑑とにらめっこで「この草の名前は○○」とわかるとさっさと歩き去ってしまう人を見かけます。でも、名前を知ることより、その草がなぜそこにいるのか、どんな暮らし方をし、どんな戦略で子孫を残そうとしているのか、ということの方が数倍も楽しいものです。

高尾山でもたくさん開催されている植物ガイドツアーに参加した人が、「植物の名前をいろいろ教えてくれるけれど、終わってみればほとんど覚えてない」とよく言います。
それはちゃんと出会ってないから。パーティでたくさんの人と名刺交換をしたけれど誰が誰やらわからなくなるのと同じ。ゆっくり話して少しでも時間をともにした人の名前は覚えているものです。

生き物との出会いも同じ。
植物の同定は大事なことですが、みなさんは調査をしにきたわけではありません。
参加された一人一人が、「もう一度会いたいなぁ」というものに出会えることを生物多様性ガイドでは目指しています。